2015年1月12日月曜日

市町村開催の成人式はもう止めたらどうか

成人式とか成人祭と呼ばれている年中行事が今年も全国各地で開催されたようだ。そして、例年のように、参加した新成人が暴れたとかで会場が荒れたところがあったそうだ。どこでもそうだというわけではないだろうが、もう、市町村が公費と公務員を動員して成人式を開催する時代でもないだろう。会場が荒れたり騒ぎになったりするのは、“もう、止めた方がいいよ”というメッセージなんだろう。

やんちゃをしてみたい気持ちもわからなくもないが、わざわざ仮装大会並みに着飾って会場で目立とうとしなくてもいいのではないかとも思う。

「私は、こんなにバカなんです」と金と時間をかけてアピールしなくても、「あなたが救いようのないバカなのは十分に承知しています」と周囲の人は認めてくれているんですから。

市町村が、いったい幾らくらいかけて成人式を開催しているのは定かではないが、ある調査によると、50万円~300万円超のようだ。その調査では、成人式を開催する目的を聞いていて、回答の中には、「新成人に対してのサービス」とか「地域づくりに参加するきっかけづくり」、「青少年教育の一環」、「社会人としての自覚を高める」、「経済振興政策のため」なんていうのもある。

登別市の「平成22年度登別市事業仕分け結果」の中に、「成人として自覚を持つ一つの機会であり、成人となった青年を祝い励ます意義は認められる。全国に散らばっている同級生との絆を強める意味もある。ただ、成人式が地域づくりに参画する 契機となるとは考えにくい」という改善意見が記されている。

市町村にとっては成人式開催のための費用は全体予算から言えば僅かなものかもしれないが、いっときのバカ騒ぎに大切な税金を使うことは無能行政であることを首長も議員も住民も自覚しなければならないだろう。駆り出される公務員も、やってられない、と声をあげたらいい。

私は成人式に出たことはない。20歳の誕生日は一人で過ごした。ちょうど、新潮社からシェイクスピア全集が発刊された年で、最初の配本の2巻を購入し、「20歳の誕生日に」と表紙裏に書き込んだ。そして、今日は記念に美味いものを食う、と決めて、その土地の名物料理を大衆食堂で食べた。とても充実して満足の一日であった。

成人式に出なかったのは、そこの市と出身の市とでは、成人式出席資格が満年齢と数えの年齢とで違っていて、転居の時期がその狭間になったからどちらからも案内が来なかったからだが、友人の中にも成人式には出たことのないものが多かった。

成人式といっても、20歳で大人、なんて国は世界では少ない。多くは18歳だ。成人の年齢を定めた理由は国によりまちまちだが、いまの日本は子ども扱いの期間が長すぎるのではないだろうか。すでに立派な大人と言える段階に達している者たちが、20歳になって今日から成人だというのもわざとらしくて何となく気味が悪い。

総務省統計局によれば、この1年間(平成25年1月~12月)に,新たに成人に達した人口(平成26年1月1日現在20歳の人口)は121万人(男性62万人,女性59万人)で前年比1万人減だそうだ。もう少し解説をみていくと、つぎのようなことが述べられている。

この推計を開始した昭和43年からの推移をみると,第1次ベビーブーム世代の昭和24年生まれの人が成人に達した45年が246万人で最も多くなった後,減少に転じ,53年には152万人となりました。その後,昭和50年代後半から再び増加傾向を続け,第2次ベビーブーム世代の人が成人に達した時に200万人台(最多は平成6年207万人)となった後,平成7年に再び減少に転じて以降は減少傾向を続けています。平成26年の新成人人口は121万人,総人口に占める割合は0.95%となり,前年と比べると,1万人,0.01ポイント減となり,人口,割合共に過去最低を更新しました。

ということで、以下の表と図が掲載されている。


 
時代が下るにつれて、新成人はどんどん減少していく様子がわかる。その意味では、じぶんのバカさかげんをいじらしいほどアピールする呆気者(うつけもの)であっても、“貴重な存在”だから大事にしなければ、という気にはなるのかもしれない。
  
平成25(2013)年10月1日現在の60歳人口は170万人、65歳人口は221万人、70歳人口は163万人だから、20歳人口121万人よりも遙かに多い。
 
成人が20歳からと決められているのとは異なって、何歳から老人とか高齢者とかいう決まりは何もなくて、人口統計学上は65歳以上を老年人口と呼び習わしているだけだが、まあ、60歳ともなれば、元気だとか何とかとは関係なく、年齢が十分に高いということでは立派な高齢者なんだが、いっそのこと、60歳になった人を対象に成人式と併せて老人式を開催したらどうだろうか。それこそ金の無駄遣いと非難囂々かもしれないが。

2015年1月1日木曜日

2015年を迎えて

新年明けましておめでとうございます。

正真正銘のよい年になることを願わざるを得ません。皆々様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。

今年も、ボチボチと拙い文章を書き連ねていこうと思います。引き続きご笑覧下されば幸いに存じます。