2015年12月16日水曜日

軽減税率の協議は何と国民をバカにしていることか

消費税を10%に増税するにあたって、自民党と公明党の間で軽減税率の協議が時間をかけて行われた。自民党の税制調査会が当初に主張していた4,000億円の軽減から1兆円規模の軽減へと“大幅に”拡大することになった、ということのようだ。

品目や消費形態などで税を軽減するとかしないとか、それらを細かく分類すると仕組みが複雑になって大変だとか、公明党は選挙公約をしたから軽減税率の対象を拡大することを譲れないとか、公明党の主張を入れないと自民党は選挙に苦戦するとか、なんとかかんとか。

そうした議論だか何だかわけのわからない大騒ぎをしている連中の頭の中には、国民の生活を守るとか豊かにするとか、国民に安心を与えるとかといった政治理念なんぞは、これっぽっちも入っていないのだろう。要するに、国民をバカにしているのだ。

4,000億円だとか1兆円だとか、いまの政治に見られるトンチンカンな国家財源の使い方を見れば、その程度の財源が捻出できないはずはない。無駄や理不尽な支出を徹底的に洗い出せば出来ないはずはない。頭から財源不足と決めつけている連中を放置している財政学者は何をしているのだ、と言いたい。

国民感情から言えば、高額所得者や大もうけしている企業、高額商品に高い税金を掛ければ済むことだ。税金というのは、国民生活を安定させるために所得を再配分することであるから、国民生活が安定して豊かになるということを実感できれば、たとえ税金が高くても、国民は喜んで税金を払うだろう。増税が国民生活を圧迫する一方で、国費の無駄で理不尽な使い方の穴埋めをするためであるならば、誰でも税金なんか払いたくないと思うのは当然のことである。

財政健全化計画を高らかに唱っていながら、その実は、国民から税金をむしり取ることしか考えていない政治家や官僚に、この国を任せておいてはいけないことを、国民はしっかりと認識しなければならないだろう。バカにされていて黙っていてはいけない。