2016年9月16日金曜日

東京中央卸売市場の築地から豊洲への移転をめぐる騒ぎは日本政治の後進性を示しているのか

東京中央卸売市場の築地から豊洲への移転をめぐる問題が連日報道されている。

ベンゼンに汚染された土地の改良に800億円を超す大金が投入されたが、土地と建物の施工に問題があったということで、安全性が確保されていないということだ。

敷地が広大だからといって、汚染された土地を大金をかけてわざわざ改良して、生鮮食料品を扱う卸売市場を移転させるというのは、どう考えても解せない。

改良した土地の安全を証明するために生鮮食料品でも大丈夫という大規模実験を長期的に実施するということなんだろうか。

長い時間をかけて大勢の委員を参加させて色んな会議が行われたようだが、テレビに出演している元委員の方々は、そんなこと知らされていなかった、ということのようだ。委員会の提言が盛り込まれた報告書も、ほとんど事業には活かされていないようだ。

まあ、公的機関が、外部から専門家や有識者を委員として招いて組織する委員会の議論なんかは、たいてい無視されるか、都合の良いところだけをつまみ食いして、一種のお墨付きとして使われるだけで、尊重されるようなことはない。

専門家や有識者は、それなりに真面目に真剣に正直に議論するだろう。その意味では優れた専門バカは貴重な存在だ。中には、公的機関に迎合するのが自分の役割なんて思い込んでいるただのアホとしか言いようのない専門家や有識者もいて、そういうアホは、そうした委員会の委員として重宝がられているようだが、いずれにしても、議論や提言がほとんど活かされないということでは、専門バカも、ただのアホも同列に扱われている。

公的な機関が行う事業は、始めたら途中で止めない/やめられないことが「自慢」になっている。とくに、大金を投じた事業に関してはそうだ。そして、それを決めて、それを進めた責任者が誰だかがわからないままに、無駄で下らんことが延々と続けられる。そして、それを止める仕組みもない。だから、そうした中で、とんでもない輩がぬくぬくと甘い汁を吸うことができる。そこにまともな政治家は登場しない。

チョット考えれば、何で、そんな危なっかしい土地に生鮮市場が移転することになったのか、おかしくね、と感じるだろう。

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