2014年3月12日水曜日

スタップ細胞の論文が研究スタッフによってストップされるらしい-Stap me!

 いよいよ真相が明らかになりそうだ。STAP細胞に関する研究と、その成果をNatureに発表した論文に、多くの、しかも致命的と見做される問題が明らかになったようだ。ようだ、というのは、私自身が専門外で内容は判断できないが、ネット上で詳細に検討、議論されていることや、テレビや新聞で報道されていることから、どうも、作り話の域を出ないようなお粗末であると感じているからだ。

 STAP細胞のSTAPというのは、Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency cellsの略で、日本語では、刺激惹起性多能性獲得細胞と言うそうだ。でも、その細胞を作ることができなかったというのであれば、STAP細胞という言葉を使うのはおかしなことになる。駄洒落が許されるなら、

 STAP細胞は研究STAFFの一言でSTOPしちゃった、とSMAPが歌うかもしれない。

 STAPという言葉は遺伝子名称としてこれまでも使われていたらしいが、ランダムハウス英語辞典を引くと、次のような用例が出ていた。

Stap me [or my vitals]!{古}{驚き・怒りを表して}へえ、いやはや、こりゃ驚きものだ。

 一粒で二度おいしい、というコマーシャルソングがあったが、当初の驚きと、それ以上の(と言ってもよいほどの)驚きを味あわせてくれた(おかしな表現だが)ということからすれば、まさにSTAPである。これからは、何かにつけて、Stap me!って言うことにしようか。

 しかし、画像の使い回しや剽窃、捏造が隠れもない事実であったとすれば、あの堂々とした記者発表や研究室での仕事ぶりを撮影させたことには舌を巻く(そんなことで舌を巻いたらいかんのだが)というか、舌を飲んでしまいそうだ(どんな状態なんだ)。自信満々に笑顔で応対していた姿には、恐れ入谷の鬼子母神、というところだ。同室のスタッフは日頃の研究活動を直に見ているだろうから、何も感じなかったんだろうか。それも不思議だが、感じさせるようでは、いま騒ぎになっているようなことにはならなかった/できなかったんだろうな。

 少し前にNHKの「紙の月」という女性銀行員が客の預金を総額1億円横領した顛末を描いた連続ドラマがあった。ビデオで視たが、まわりの行員に気づかれないように懸命な努力と賢明な(?)対処があったからこそできたことだ。

 それにしても、理研の対応は・・・という感じがしないでもない。

 NHK NEWSweb(3月11日8時44分)には、「共同著者の1人、チャールズ・バカンティ教授が所属するアメリカのハーバード大学医学部は10日、『最高水準の倫理と研究の整合性を維持するために全力を挙げている。われわれの注意を引くいかなる懸念も規則に基づいて精査する』とコメントし、事実関係の調査を進めていることを明らかにしました。」とある。うーん、さすがハーバード、かっこいい、といいたくなるのは軽薄だろうか。

 朝日新聞デジタル(2014年3月11日07時43分)によると、「過去約70年間に掲載され、あとで撤回された世界の医科学系の論文2047本を分析した米国チームの報告によると、捏造や盗作などの不正行為が全体の67%を占める。不正を理由とした撤回の割合は増加傾向で、最近では75年当時のほぼ10倍にのぼるという。」ことだ。

 悲しことだ、と言ってしまえば、それで終わりだが、あまりにもドラマチックすぎる(どうも表現が幼稚でいけないな)。研究に鎬(しのぎ)を削るということが、悪く言えば捏ち上げ(でっちあげ)競争になってしまうのは、本来、研究者としては相応しくない者が研究の領域に大勢いるということなのだろうか。でも、そういう人間は鉄面皮なんだろうから、化けの皮を剥がすのも並大抵のことではないだろうな。そして、もし、そうした連中が組織を構成していたりすれば、その中にいて最も頑丈な鉄仮面をかぶって仮面舞踏会に参加した者が喝采を浴びるのかもしれない。

 
 研究の正当性を主張できるのなら、ふつうであれば、ふざけるな、これは本当のことだ、何をけちつけるのか、と真っ向から反批判を展開するはずではないだろうか。研究者にとって、研究成果は血と汗の結晶だろうから、確信をもっていればこそ、“それでも地球は回っている”と言えるのであり、言わなければならないだろう。そうしないということが、そして、そうさせないということが問題なのであろう。

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