2016年6月14日火曜日

舛添都知事の不適切行為に対する都議会と都庁幹部職員、国会議員の対応に違和感を覚える

舛添都知事に対して都議会の各会派が不信任決議案を提出することを決めたそうだ。これまでの経緯から言えば、ごく自然な流れだと思うが、この段階に至るまでの都議会議員や国会議員、そして、都庁の幹部職員の対応には解せないことが多い。

舛添都知事の国会議員在職中の政治資金不正使用や都知事になってからの公私混同疑惑など、すべてがマスメディアのスクープによって“暴露”されたものばかりであり、その後に続々と浮かんできた疑惑も、記者会見での質疑応答から広く知られることになったものばかりである。

都議会での審議で取り上げられた疑惑も、マスメディアによって既に国民が知っていることがほとんどで、議員は、ただそれらを議場であらためて“おさらい”しているだけである。言ってみれば、原作があって、それを基に脚本を用意し、議員それぞれがへたくそな演技を得意になって繰り広げているだけである。

片や質問を受けて立つ舛添都知事は、すでに原作を十分に読み込んでいるので、というよりは原作の作者であるから、出来の悪い脚本でへたくそな演技で迫ってきても痛くも痒(かゆ)くもない。脚本が、何度でも同じ答弁をするしかないように構成されているから、それに従っていればいいだけの話だ。

都議会議員や都庁の幹部職員、そして国会議員は、マスメディアが報じるまで疑惑の追及も是正もしてこなかったことを大いに恥じるべきである。政治家の不正行為の監視をマスメディアに一任していたり頼りっきりになっていたりするような現在の状況は異常だと認識しなければならないだろう。不正行為や疑惑の追及、それらの是正の過程と結果が、政治家や都庁の幹部職員からマスメディアに流されるのが健全な報道のスタイルではないだろうか。

有権者は、舛添都知事の不正行為を糾弾すると同時に、都議会議員や都庁幹部が舛添都知事の不正行為をいち早く是正しえなかった/してこなかったことに対して異議申し立てをすべきであろう。そして、ワイドショーで熱弁を振るうレギュラーやゲストも、それほどまでに問題を深刻に捉えて、確信に満ちた論評をするのであれば、なぜ告発をしないのか、とても不思議である。

辞職を迫る都議会議員に対して、舛添都知事は、いま辞職すれば、知事選や都議会議員選がリオ五輪開催期間にぶつかるので都合が悪いから不信任決議案の提出を9月議会まで待つよう涙ながらに訴えたということだ。こんなへ理屈を堂々と口にするのは、もはや尋常な精神状態ではないのかもしれない。テニスやサッカーの世界大会が開催中だからといって、アメリカの大統領選の時期をずらしたなどという話は聞いたことがない。

それと不思議に思うのは、副知事という役職である。知事が任期途中で辞任したり失職した場合には、残余期間を副知事が代理で職務を務めることができるようにすればいいことだ。そうすれば、選挙費用も削減できる。議会がしっかりしていれば、知事だろうと副知事だろうと、政策を遂行していく上では何の支障もないだろう。

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