2014年6月28日土曜日

白川郷の合掌造り

1か月ほど前のことだが、妻と愛車を駆って白川郷に行ってきた。前々から一度は行ってみたいと思っていたが機会がなかった。ところが、運良くというか、たまたま飛騨の近くに(というほどでもないが)用事ができたので、足を伸ばしたという次第だ。

地元の人の話だと、世界遺産に認定されてから観光客が急増して賑わうようになったが、それまでは過疎の寂しい村だったということだ。ちなみに、白川村役場のホームページに掲載されている統計に基づいて観光客数と村の人口の推移をグラフにしてみた。



世界遺産に登録された1995年以降、観光客数が急増した。それまでも、年間50~60万人ほどの日帰り客があったが、高速が全線開通した2008年には176万2千人を数えるまでになった。人口1,700人ほどであるから、その千倍に当たる。単純に12で割ると1か月に約15万人になる。1日当たり約5千人である。村民の約3倍である。こんな計算が意味あるかどうかわからないが、かなりの集客数であることには違いない。

年間百万人を超える観光客が訪れる観光地は日本全国でどれくらいあるだろうかと思ってネットで調べたが、政府発行の観光白書でも都道府県単位であったり、都道府県や市町村が単独で公表していたりと、観光地別の観光客数を比較できる統計資料は見つからなかった。すぐ手に入りそうなものだが、そうした統計をまとめるのは簡単ではないようだ。そんな中で、個人で開設しているサイトで日本の世界遺産観光客数ランキングというのがあった。県や市町村などの資料に基づいた労作と言えるので、そこで示されている表を簡略化して掲載しておく。

 

第8位にランクされている。京都や奈良は別格としても、結構な数の観光客が白川郷を訪れていることがわかる。しかし、近年では観光客数がそれほど伸びてはいない。その辺りのことを、白川村のHPでは次のように記している。

観光入込み客数増加の要因として、普通車・大型車の駐車台数の増加もありますが、特に外国人観光客の入込みが昨年の数値を大きく上回った事が上げられます。その反面日本人観光客の入込みが減少していることになります。依然として、通過型観光地の脱却には及ばず、継続して村内での消費増加や滞在時間の増加・分散化を図るために、観光資源の発掘・整備、国内外への広報、6次産業化による村全体の活性化、北陸新幹線開業を見据えた二次交通の確保や北陸方面との連携を一層強化するなどの取組みを進めます。

年間100万人を超える観光客が訪れても、白川村の人口は大きく増加することはなく、減少傾向にある。これまで、白川村の人口を増加、維持させてきたのは、ダムや高速道路の建設工事に伴う一時的転入者によるものであり、世界遺産登録の効果も人口増加につながる産業の発展にまでは及んでいない。そのことを白川村のHPでは次のように述べている。少し長くなるが、充実した記述だと思えるので紹介しておく。

観光関連の施設整備が急速に進められ、村の産業構造や経済の仕組みを大きく変化させました。しかし、この第三次産業の発展は、必ずしも通年就労の場の確保にはつながっていません。安定した収入の確保、若者の村内定着を図るためには、地域資源を活用した地場産業の振興により、年間就労の場を確保していくことが重要な課題になっています。

今後、高速道路などの大規模な建設工事の終了や、国内的な公共事業の抑制により、その展望は非常に厳しいと予測されます。
第三次産業は、観光産業の発展が村内経済に潤いを与えています。しかし、反面において、その急速な発展が村の自然や社会環境にマイナスの影響を与え始めているところもあります。観光産業を除く地域小売店の経営が、村民の消費行動の多様化、広域化などに伴い、厳しい状況に置かれています。わたしたちの快適な生活環境を得るためにも、観光産業の適正な姿を模索すると共に、村内産業の調和ある姿を追求していく必要があります。

多くの観光客を集める有名な世界遺産があっても、それだけでは地域を発展させることができない難しさが伝わってくる。観光客にとっては人類が果たし、遺してきた古(いにしえ)の素晴らしい成果に接する感動を得ることができ、地元にとっては誇りではあろうが、地元には、また別の難しい課題がある、ということである。

白川郷は想像していたよりも整備されていて、何か人工的に作られた時代村の中を歩いているような錯覚にとらわれたが、それも、よく手入れされて大事にしていることからくる印象で、こちらが勝手にタイムスリップしたかのような気分になれること期待していたからだろう。展望台への循環バスの運転手さんと交わした会話も思いで深い。

た~くさんの写真を撮りました。その一部を載せておきます。ご笑覧下されば幸いです。

 
 
昼食をとったお店です。立派な合掌造りです。車を駐車しておいてかまわないと言ってくれて、村内の見所を詳しく教えてくれました。
遅い昼食に飛騨牛味噌ステーキ定食を食べました。朴葉焼きと言うそうです。とてもおいしかったです。ご飯のおかわり自由ということで、お代わりしてしまいました。客は私たちだけでしたので、お店の方が、囲炉裏を囲んで座ったわたしたち夫婦を写真におさめてくれました。残念ながら未公開です。
 
 








 
 

















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