2014年6月20日金曜日

STAP細胞問題への理研と文科省の対応に潜むものは・・・

今日の朝日新聞朝刊に掲載されたインタビュー記事に驚いた。

理研発生・再生科学総合研究センター(CDB)の竹市雅俊センター長がインタビューに対して、STAP細胞の有無に関して「結論を出すのはまだ早い」と述べ、CDBは保管している細胞などの遺伝子解析を続けており、最終的な結論は、「検証実験の結果を待つしかない」と語っている。そして、検証実験は、小保方氏と連絡を取り合って進められており、いずれ小保方さんに参加してもらう方針だと述べている。

信じがたい発言である。STAP細胞論文の不正問題に結論を出すことなく、STAP細胞の有無に問題をすり替えている。STAP細胞の有無の検証は純粋に科学的課題であるが、論文の不正行為や杜撰な管理体制は、およそ科学的課題とは無縁の問題である。そうしたことに目をつむるかのようなことを臆面もなく口にする神経は、たとえこれまでに優れた実績を積み重ねていたとしても、科学者としても管理者としても失格である。

危機に瀕して、自らと所属する組織の存続を図ろうとするのは、問題の論点をすり替えて、ひたすら自己保身に走ることしか考えずに多くの人に犠牲を強いた旧日本軍の軍人の中にも多々見られた例である。

改革委員会が提言したCDBの解体については、「解体ではなく、執行部を一新してやり直した方が、建設的な改革ができる」と訴えたという。「建設的な改革」というのは、こういう場合の常套的言い回しであるが、建設的な改革の意志も責任感もないような言動をしていて、なにをか況んや、である。

ネット上では、内部告発と見られる以下のような書き込みがあり、ブログ世に倦む日々によれば、頻繁にコピペされて回し読みされ続けているようだ。ここで、同じようにコピペするのも気が引けるが、読んでみて、コピペする価値がありそうだと思ったので、そうすることにした。

http://wc2014.2ch.net/test/read.cgi/life/1402973052/810
810 :名無しゲノムのクローンさん:2014/06/18(水) 08:24:02.20
世に倦む日々の人、竹市のこと信用してたのね。御愁傷様。 竹市は本件をここまで深刻にした張本人です。 CDBの小保方擁護筆頭、未だに現実を受け入れられない。今日も相澤研までわざわざ小保方に会いにいっちゃったりもうホント馬鹿じゃないかと。 で、細胞の調査をすることには絶対反対ね。認めてもしぶしぶ。CDBは5月末になってやっと細胞の調査を始めたけれど、若山にプライマーの配列聞いてたから、一瞬で元のESが同定www もっと早くやってればCDBこんなことにならなくて済んだんだよ。氏ねって感じ。小保方が引っ越しのどさくさに若山の所から盗んだ細胞が箱ごと発見されたことも公表しろよ。丹羽のTSもたくさん出てきただろ。相澤も小保方さんを励ましてあげようなんて言ってるんじゃねーよ。お前、監視役として検証チームを組織したんじゃなかったのか?陰でこそこそ再現実験させてどうするつもりだ?また手品か?小保方~地獄の底はまだまだ深いぜwww


2ちゃんねる掲示板に合わせるような口調や表現が使われているが、近くにいて見聞きしていないとできないと思われるようなことが描写されていると言えるのではないだろうか。

上の書き込みに関連する記事を眺めていたら、次のような興味ある記事を見つけた。

50 : 名無しゲノムのクローンさん[] 投稿日:2014/06/18(水) 09:45:06.08
■今回の事件に関する疑惑
・補助金適正化法違反(論文捏造(国家認定済)は全額返金の対象)
・詐欺罪(捏造データで理研の地位と給料ゲット 研究費や学振費と特許出願)
・横領または背任罪(嘘の研究に公金を使用 エアラボ カラ出張?マイル横領?)
・犯人隠匿罪(理研が小保方の犯罪行為を隠蔽した)
・窃盗罪(和歌山のES 庭のTSを盗んだ?)
・偽計業務妨害罪(和歌山他世界中の機関に無駄な実験をさせる)
・名誉毀損罪(iPS勢力への冒涜)
・虚偽風説流布罪
・公文書偽造(研究費成果報告書に偽造論文(国家認定済)をのせる)
・インサイダー取引(セルシードの株価が不自然な動き)
・著作権法違反(企業の写真をパクってD論にのせる)
・動物愛護法(計画書出さずに動物実験)


小保方嬢や関係者を処分できずに必死に身内を守るかのような言動に終始していることなど、改革委員会の提言をまともに受け止めようとはしない一連の動きをこれで説明できるのではないだろうか。文科省が慌てて理研の改革を指導するためと子ども騙しのように文科省内にチームを設置したことも、これで首肯できよう。

まっとうな判断と行動で論文不正問題に決着を付け、関係者や管理者を処分することは、予算の使途をはじめ、組織そのもののあり方に直接関わる問題に波及することになる。問題がぞろぞろ出てくるに違いない。ひょっとすると、財務省や会計検査院、そして、検察も情報や資料の収集を進めているのかもしれない。おそらく、志のある若き官僚たちは、そうした問題に敏感なのではないだろうか。もう、そろそろ、文科省などからのリークがありそうだ。

不正を内部告発することは勇気のいることであるが、論点を拡散させることなく早期に問題を明らかにして的確に問題解決を図るためには最も重要なことであり、かつ最も人間的な行為である。そのためには、誰もが公益通報者保護法について知り、それに即した言動をすることである。長いものには巻かれろ式の言動で肝心な論点を見失う愚を犯すことこそ責められるべきである。

毎日新聞によれば(2014年06月19日20時06分最終更新06月19日21時56分)、理研の改革を指導するため文科省が設置したチームの座長を務めている桜田副文科相は、文科省を訪れた神戸市の久元喜造市長の「地元自治体としても引き続き神戸で再生医療の研究をお願いしたい」との要請に、発生・再生科学総合研究センター(CDB)の「解体がないよう協力したい」と応え、解体に同意しない考えを示したという。

神戸新聞によれば、兵庫県の井戸敏三知事も、改革委員会の提言に対して、「センセーショナルが過ぎるのではないか」と疑問を呈し、小保方氏らについて「十分な裏付けがあったのかなかったのかという疑問を呈されることは最先端の研究にはつきもの」とした上で、一部の行為が研究所解体やセンター長解任につながるのは行き過ぎとの認識を示したという。そして、「いろんな失敗が大発見や大発明に結びつくのが、この研究の積み重ねのこれまでだったし、これからだと思う」と話し、県としてこれまで通り支援する姿勢を明らかにしたという。これに対しては、「お気楽発言ですね。『いろんな失敗』? 失敗ではなく捏造です」との発言がツイッター上に見られるが、その通りだと思う。

科学の何たるかについて何ら慮ることなく無知丸出しで権威に阿る(おもねる)かのような首長のいる県民、市民が哀れに思える。もっとも、こうしたことが、首長の見識がどの程度のものかを確認する材料になったことは幸いと言えば幸いかもしれないが、悪貨が良貨を駆逐するかのごとき反知性主義的言動の蔓延には断固として知性と良識で対抗しなければならないだろう。

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