2017年7月12日水曜日

安倍首相のお仲間に共通していることは国民に対して不誠実であることだ-内閣支持率調査の結果が教えてくれること

新聞社やテレビ局の世論調査で内閣支持率が暴落し、不支持率が支持率を上回ったことが報じられた。安倍御用新聞と言われている読売新聞の調査での不支持率が一番高かったことも興味深いものがある。

その調査では、「支持する」が 36%、「支持しない」が 52%で、支持しない理由として最も多くあげられているのが、「首相が信頼できない」の49%である。

マスメディアが行う世論調査は標本調査で、今回の読売新聞の場合は、全国の18歳以上の有権者の中から、RDD方式という電話で聴取する方法を用いて、固定電話を対象にした世帯から547人、携帯電話を対象にした個人から541人の回答を得ている(有効回答率は固定電話で60%、携帯電話で42%ということである)。

標本調査だから誤差が生じる。 その計算方法の詳細は、このブログの2015年5月18日の記事に記したが、上の調査結果を同様にして計算すると次のようになる。

支持率36%というのは、全国の有権者全部を対象に調査した場合には、33.1%~38.9%に、不支持率52%は、同様に49%~55%になるだろう、ということを指している。要するに、発表された支持率と不支持率は、そうした幅を持った数値であるということである。したがって、ひょっとすると、支持率は33.1%で、不支持率は49%かもしれないし、支持率は38.9%で不支持率は55%かもしれない、ということである。こういうのを区間推定と言う。

これに対して、発表される内閣支持率/不支持率は、たいていの場合、今回のように支持率36%/不支持率52%と区間を表示することはない。そうした推定を点推定と言う。点推定で、数%の違いがあっても、本当のところは、支持率が上がったとか下がったと言うことはできない。

しかし、今回の場合は、支持率33.1%~38.9%の区間と、不支持率49%~55%の区間には重なるところがないので、明らかに支持率は不支持率を下回っているということができるのである。

さて、ここからが本題である。支持しない理由の回答は以下のようになっている。

1.政策に期待できない -------- 15%   5.自民党中心の政権だから ----- 11%
2.首相に指導力がない --------  5%   6.これまでの内閣の方がよい ---  1%
3.首相が信頼できない -------- 49%   7.その他 -----------------------------  1%
4.閣僚の顔ぶれがよくない --- 16%   8.答えない --------------------------  2%

3の「首相が信頼できない」がダントツである。用意された回答の選択肢が国民の政治に対する
考えや思いを調べるのに十分なものかどうかは措くとしても、「首相が信頼できない」というのは、政権に対する全否定の表明ということができるだろう。

「政策に期待できない」ことも、「首相に指導力がない」ことも、「閣僚の顔ぶれがよくない」ことも、「首相が信頼できない」ことに含まれる理由と見ることができよう。

政治に関わる世論調査でいつも疑問に思っていることは、日頃から政治や政策のことに関心を持ち、それらに関する正しい情報を収集している人と、そうではない人とを一緒くたにして政治や政策に関わることを尋ねて得られた結果がどれほどの意味をもつのか、ということである。

憲法に目を通したことも、憲法問題について考えたこともない人が改憲の是非を尋ねられても的確に回答できるだろうか。しかし、「首相を信頼できるか、できないか」のような質問には、正常な常識感覚をもった人間ならば、政治や政策の面倒な事柄抜きでも的確に回答できる。

連日のように新聞やテレビ、インターネットで、森友学園問題や加計学園問題、共謀罪問題、稲田防衛大臣問題、豊田議員問題などが報じられ、国会や記者会見での首相や官房長官をはじめ閣僚と官僚の国民をバカにしきった答弁や応答から、彼ら/彼女らが誠実さのかけらもない信頼の置けない人間であることをイヤと言うほど思い知らされたからである。

政治や政策はわからない。しかし、その政治家が政治家にふさわしい誠実で品格を備えた人間であるか否かはわかる。ずるい奴かそうではないか、悪い奴かそうではないか、ウソをついているかそうではないか、軽薄な人間かそうではないかくらいは、よくわかる。そして、難しいことはわからないし興味もないが、そんな輩に政治を任せていてはとんでもないことになる、ということは、とってもよくわかる。

私利私欲にまみれたお仲間たちで国費を私物化し、国民に対しては不誠実きわまりない対応をする。そんなことは、もう隠しきれない段階になった、ということを、お仲間たちの広報誌である読売新聞が明らかにした、ということである。

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