2017年9月28日木曜日

驚いたね-「希望の党」は10年以上も前にあったんだ:小池知事はパクリか

驚いたね~、というのは、今は引退しているが、将棋の中原誠十六世名人が現役時代に、そんな手があったのか、というときに、決まって口にした言葉だ。

たまたま目にしたウェブに、「国民が選挙に行かず、「希望の党」という独裁政権が誕生し、恐ろしい日本になるという作品があった!」というタイトルで、12年前の2005年に総務省と明るい選挙推進協会が選挙キャンペーンとして制作した短編映画が紹介されていた。20分の短編作品だ。監督は「デスノート」を作った金子修介で、渋谷飛鳥や木下ほうか、楳図かずおらが出演している。

「希望の党」が政権をとると、選挙に3回行かなかった有権者は選挙権をはく奪され、代わりに政治的関心が強ければ高校生などの未成年者に特別選挙権が与えられることや生類憐みの令によって動物を可愛がらない者が逮捕され、裁判官は被告が気に食わないからと痴漢犯に死刑を宣告するような事態が進行するようになった。そして、戦争が起きて未成年が兵隊にとられる。そこまできて、選挙に無関心だった父親もようやく娘が言っていた選挙の重要性を認識して狂わんばかりに反省して過去に戻りたいと霊能力者に泣きつく、というのがあらすじ。

ユーチューブにずっと載っていたようだが、こんな選挙キャンペーン映画があることは知らなかった。選挙キャンペーン映画としては秀逸である。いまなら、とんでもない大学がじゃんじゃん作られたり原発事故処理のでたらめさや辺野古埋め立て問題、憲法改悪、Jアラートなど題材に事欠かないだろうし、登場人物も、安倍首相や昭恵夫人、菅官房長官、麻生副総理、下村博文、稲田、和泉、萩生田、佐川、松井大阪府知事、その背後に控える日本会議の面々など、キャラクターも選り取り見取りで、オールスターキャストでアカデミー賞候補になるくらいの素晴らしい選挙キャンペーン映画を作ることができそうだ。電通に発注してはどうかな(ちなみに、上の作品は博報堂制作と書かれていた)。

【追記:2017/10/8】
朝日新聞デジタルによると、上で紹介した動画は削除されたそうだ。以下に、記事の抜粋を載せておく。

小池百合子都知事が同名の新党設立を発表すると動画サイトのアクセス数が急増。公示を控えて動画は削除された。当時は明推協のホームページで配信したが、12年からは金子監督が「ユーチューブ」にアップ。9月25日に小池都知事が「希望の党」の設立を発表すると、視聴回数は累計14万回を超えた。10日の公示を前に、明推協は「当時は架空の名称であった『希望の党』が現実のものとなり、誤解を招く恐れがある」と金子監督に削除を依頼。監督も了承した。監督は「安保法制が成立し、北朝鮮との緊張関係も増している。ブラックジョークとして考えたことに、現実が近づいている気がしてならない」。今回の衆院選について「戦争と平和、どちらに向かうのかを問い直す選挙。私の作品が現実を予言したと言われるような時代など、来てほしくありません」と述べた。

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