2014年7月16日水曜日

「STAP現象」の検証実験をするための小保方嬢専用の実験室の写真と図面が公開された

理研は、7月15日に、「STAP現象」の検証実験をするための小保方嬢専用の実験室の写真と図面をウェッブに掲載した。そこには、「小保方研究ユニットリーダーによる検証実験は、以下に示す実験室(理研CDB内に設置)において、研究不正再発防止改革推進本部が指名した立会人の下に行います」という一文が添えられているが、どういう意図があって、このような中途半端な写真と図面を公開したのだろうか。人をバカにするのも好い加減にしろ、という声が聞こえそうだ。

論文の捏造や研究不正に関わる数々の疑惑を引き起こした張本人のために、このようなお膳立てをしました、ということが言いたいのだろうか。空き室を利用して新たに作ったとされる実験室は、STAP細胞が作成されたと大々的に発表したときにマスコミがこぞって紹介したド派手な色彩の壁やムーミンの絵で飾られた実験室と大いに違って、地味~な印象を受けるが(これが普通の実験室なんだろうけど)、なぜ、わざわざ、新たな実験室を用意したのか理解に苦しむ。あのド派手な実験室は、どうしちゃったんだろう。壁の色を塗り替えたり、ムーミンの絵を除けたりして、別の用途に供されているのだろうか、とても気になる。

空き部屋を新しい実験室にしたっていうことは、それなりの費用がかかっているだろうから、あのド派手な研究室はどうなったかの説明と、この実験室のために要した費用も掲載しておくべきではなかったか。

写真には監視カメラがシンク(流し台)の上と、それと近い壁際に設置されているのが写っている。この2台で実験室の隅々まで24時間監視できるというわけか。それと、この実験室への入退出は、IDカードで管理されるそうだ。なにやらスパイ映画もどきだが、天下の理研で、しかも生命科学の研究センターなんだから、どんなIDカードか知らないが、そんなカードではなくて、生体認証によって入退室の管理を行えば、もっと、それらしくなったのに、と思う。

加えて、実験に際しては研究不正再発防止改革推進本部が指名した立会人を置くようだ。仲間内で指名した立会人なんて聞いたことがないが、監視のための立ち会いが期待されているわけでもなさそうだ。7月1日に理研が発表した小保方ユニットリーダーが参加する「STAP現象の検証計画」の進め方には、「小保方RULは、体調が万全とは言えない状況であるため、第一段階としては、あらかじめ改革推進本部が指名した者の立ち会いの下、準備的に検証計画に参加させる。この場合、マウス個体由来の細胞しか扱わない実験環境とし、培養細胞の実験環境への混入を防止するとある。なんのことはない、優し~く労(いたわ)ってくれて失敗しないように実験に協力してくれる者のことを立会人と呼んでいるようだ。

見方によれば、厳重な監視の下で実験させる、と言えるが、その実(じつ)は腫れ物に触るように大事大事にして“実験していただく”ための措置ということのようである。

私のような老人なら時間を作ろうと思えばいくらでも作れるから、監視カメラなど設置せずに、希望を募るなりして老人をたくさん配置すればいいのに、と思ったりする。実験に詳しくなければとか、専門家でなければ、なんてことは、今回のような実験の不正を監視する際には、たいして重要なことではないんじゃないかな。こういう事をしたら怪しいとか、こういう風にしていないとちゃんとやっていないことになる、ということを教えてくれれば、謹厳実直な老人なら、十分に役に立つと思うが。

もっとも、居眠りしてしまうような老人では困るが、老人の居眠りは浅いので、何か異変が起きれば、すぐに気がつくし、居眠りしているようで居眠りしていないことも多いので、そんな老人を何人か立ち会わせれば、実験をしている者は気が抜けないし、不正しづらいに違いない。それに、若いバリバリの研究者が緊張し続けて立ち会うよりは、よっぽど長い時間にわたって監視し続けることができるだろう。

報道によれば、「理研広報室によると、小保方氏は現在、体調の良い時に出勤し、別の部屋で実験技術上の勘を取り戻す作業に取り組んでいるという。この日、公開した実験室で、実際に検証実験を始めるには、あと1、2か月かかるとみられる」(YOMIURI ONLINE 7/15 23:14)ということで、「小保方氏は今月から11月末までの5カ月間、実験を行う予定で、現在は実験計画を立てたり試薬を準備しているほか、長期間実験から離れていたため実験器具を使って手の動きを慣らしているという」(産経ニュース 7/15 17:32)ことだそうだ。

“実験技術上の勘を取り戻す”作業のために別室も用意されている。どんな部屋か見てみたいものだ(ひょっとしたら、あのド派手な実験室か?)。しかも、勘を取り戻したり手の動きを慣らすのに1、2か月も猶予を与えている。どれほど難しい技術か知らないが、それだけの訓練期間があれば、よほどの不器用者でなければ、初心者でも実験技術を身につけることができるのではなかろうか。怪我で休場して復帰のためにリハビリに励むスポーツ選手やコンサートへ向けて集中的に練習に励むピアニストではあるまいに。2か月分の給料付きで私に教えてくれたら、代わりに実験をしてやってもいいぞ。それに、勘を取り戻して手の動きを慣らすのなら、小保方嬢と捏造に荷担した仲間に捏造の再現実験をさせた方が確実で早道だし、問題解明には有意義だと思うが。

しっかし、理研の対応は常軌を逸している。何もかも公開して、まずは全力で不正の究明と始末をつけることを優先すべきである。それなくして、不正の防止も有意義な科学的発見も、理研の存在意義を高めることもできないだろう。

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