2014年4月11日金曜日

小保方晴子さんのテレビ会見の目的は何だろう

 考えてみれば不思議なことだ。「STAP細胞がありま~す」という発言は、誰に向けられたものなんだろう。「STAP細胞があるか」と聞かれたから、そう返事をしたのだけれど、STAP細胞があるというのなら、その主張は、いわゆる科学コミュニティの場で展開するべきであって、こうした会見の場では何の意味も持たないのではないだろうか。

 一連の騒動の過程で、何かというと、“肝心なことはSTAP細胞があるかないかだ”というような、わけしり顔の発言が多いが、騒動の発端は、そして、問題になっていることは、そんな純粋に科学的なことではない。

 笹井芳樹氏は、STAP細胞がなければ説明がつかないことが多いというようなことを述べたと2014年4月11日05時43分付けの朝日デジタルで報じている。日本人初のノーベル賞受賞者である湯川秀樹博士が存在を予測した中間子の議論みたいだ。

 であるならば、予定していた国際会議への出席をキャンセルなんかしないで、急遽演題の変更を主催者に求めて(問題が問題だから許可されると思う)、良い機会だからとSTAP細胞の存在可能性について説明すればよかったのにと思う。それを、小保方さんと同じような会見を開いて何事かを説明するようだ。なんかおかしい。

 上記の報道によれば、「来週中に会見を東京都内で開く意向を示しており、『質問の集中砲火は覚悟して、会見に臨みたい』とした」ということだが、どんな集中砲火を予想しているのだろう。

 もはや世間話の材料をまき散らすほどに話題が拡散している。そういうことなら、俺にも、私にも、一言ある、チョットくらい言わせろ、と誰でもが言いたい放題の様相を呈してきた。混迷状態、カオスというのだろうか、囲碁や将棋で言えば、不利な状態から脱却するためには紛れを求めて相手を攪乱する戦法をとるようなものだ。相手が乗ってくればしめたもので、うまくいけば逆転する。

 マスメディアは、いま、まさに、そうした攪乱戦法に載せられているのではないだろうか。まあ、そうした目くらましで大衆を巻き込むことが営業上の秘訣なんだろうが、それに載せられる“非科学の専門家”もなんと多いことか。

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