2014年10月8日水曜日

小保方嬢の下書き不正疑惑博士論文問題に関して早稲田大学がようやく結論を出したが、あきれてしまった

お騒がせ嬢として名を馳せている小保方嬢の不正疑惑いっぱいの下書き博士論文問題に関して、早稲田大学がやっとのことで結論を出した。

「大院先進理工学研究科における博士学位論文に関する調査委員会」による調査報告書が記者会見を開いて大々的に公表され、その全文が早稲田大学の広報ページに掲載されたのが7月19日。そのページで、「報告書の内容につきましてはこれから早急に精読した上で、委員会の報告結果を十分に尊重しながら、本学としての対応を決定してまいりたいと存じます」と宣言してから3か月ほど経っている。まあ、大学は、夏休み期間は教授会なども開かれないだろうから、この3か月ほどは公式な場での議論などはほとんどしていなかったんだろうが、一体全体なんでこんなに時間をかけたのか、早稲田大学の問題処理能力に大いに疑問を感じる。

記者会見で配布された資料に記されていた結論は、以下のようなものだ。

早稲田大学は、下記博士学位論文について、大学院先進理工学研究科における予備調査、2014年7月17日に総長に提出された「早稲田大学大学院先進理工学研究科における博士学位論文に関する調査委員会」による調査報告書等に基づいて、慎重に協議を重ね、2014年10月3日の早稲田大学研究科長会の議を経て、10月6日付で、小保方晴子氏に授与された博士学位の取り消しを決定した。ただし、先進理工学研究科における指導・審査過程に重大な不備・欠陥があったものと認められることから、一定の猶予期間を設け、論文訂正と再度の論文指導並びに研究倫理教育を受ける機会を与え、これが適切に履行され、博士学位論文として相応しいものになったと判断された場合には、取り消すことなく学位を維持するものとした。なお、上記の修正が定めた期間内に完了しない場合は、学位は取り消されるものとする。

そんなのありか、というのが率直な感想だ。記者会見では、次のようなやりとりがあったそうだ。

鎌田総長によると、博士号の取り消しについて「猶予期間」を認めることは初めてだという。会見では、この「猶予期間」について、記者から多くの質問があがった。

「刑事事件にたとえると、小保方さんは判決を待つ身だったと考えられる。猶予期間付きというのは、有罪判決ではあるが、執行猶予が付いたということでいいのか?」。弁護士ドットコムニュースの記者からこのような質問を受けると、鎌田総長は「おっしゃるような理解で問題ない」と回答した。

小保方嬢の体調問題や理研でのSTAP再現実験なども考慮されて、“執行猶予”期間は1年だそうだ。そして、この間に論文指導や研究倫理の再教育を受けて、「博士学位にふさわしい」論文を再提出しなければならないとのことである。

実に奇っ怪な処置である。これが学問の府のすることかと悲しくなる。もっとも、「早稲田大学は学問の府なんかではありませ~ん」と言われてしまえばそれまでだが。

おそらく、いままでにも、内容が不十分ということで博士号請求論文が受理されなかったり提出を控えさせられたケースも少なくなかったと思われるが、そうした院生などは、なんで小保方だけが、と腹が煮えくりかえっているのではないだろうか。

しかも、関係者の処分も、以下のように実に甘い。

・ 指導教員でかつ主査であった者 停職1か月。
・ 副査であった本学教員 訓戒。
・ 総長 役職手当の20%5か月分を返上。
・ 当時の研究科長 役職手当の20%3か月分相当額を返上。

共同通信(2014年10月7日19時12分)によれば、早稲田大学の結論を受けて、小保方嬢の代理人を務める三木秀夫弁護士は7日午後、「大学関係者に迷惑をかけ、大変申し訳ない。総長の判断に従う」との小保方氏のコメントを発表し、その上で三木弁護士は、取り消しまで1年の猶予期間が設けられたことに触れ「博士論文を再提出した上で指導を受け、再度審査を受ける」との小保方氏の考えを示した、ということである。

まだ、代理人が付いていたこともビックリだが、論文を「再提出した上で指導を受け、再度審査を受ける」ということには、開いた口がふさがらないどころか、口も開けられずに息もできないといったところである。これも、おふざけ、お遊びのレベルと言いたい。再現実験-実際にやっているのかどうかもわからないが-と学位請求論文の書き直しを理研から高給をもらいながらやろうというのである。

公的な研究費を大量に使いながら、日本学術振興会から特別研究員として高額の研究奨励金を得ながら、その間ずっと研究不正を繰り返してきたにもかかわらず、理研や早稲田大学、文科省の対応には私ごときの人間には到底理解が及ばない。不正行為の仲間が大勢いるということなのだろう。仲間内でかばい合いながら、理屈や道理や倫理観もなく、問題を片付けてしまおうとする勢力が妖怪のごとくに暗躍している。そんなことがヌケヌケとできないように、ビシッと諫めて正すにはどうしたらよいのだろうか。

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