2015年7月22日水曜日

第56期王位戦七番勝負第2局も羽生王位が快勝

羽生王位が挑戦者広瀬八段を117手で破り、2連勝した。実に愉快である。

この第2局は一日目の昨日から羽生王位の作戦が功を奏しているようだった。そして、2日目の本日は、角桂と金の2枚替えという駒損の強襲で60手目あたりから羽生王位のペースになり、徐々に差を広げてゆき、と金と金で後手番の広瀬八段の王を追い詰めていった。

70手目を過ぎた頃からは明らかに羽生王位の勝勢になり、間もなく終了かと思われたが、広瀬八段が長考を繰り返して粘り続け、反撃の機会をうかがう展開になった。

将棋ソフトの評価値は1,500台、1,800台、2,000台と次第に先手有利に傾いていき、終盤には、一時、8,000台までいった。大きな差がついたということだが、そこには、挑戦者広瀬八段が、この一戦の重さを思い、投げるに投げられずに必死に考え続けたことが表れていると思う。

羽生王位は、この1勝で通算勝数を1,320とし、現役最高齢の加藤一二三九段に並ぶ歴代2位タイとなった。ちなみに、歴代1位は、故大山康晴十五世名人の 1,433勝である。113勝の差であるが、年間40勝するとして、3年で追いつく数字である。年間25勝すれば棋士として優秀と言われているから、40勝は最優秀ともいえる。

羽生4冠(名人、王位、棋聖、王座)は、1985年12月18日に四段に昇段して中学生棋士としてプロデビューしたから約30年経っている。その期間に1,320勝しているから、平均すると年44勝になる。棋戦の数に変化がなく、対局数にも大きな変化がなければ、3年で113勝は可能だと期待したい。

加藤一二三九段は、羽生4冠が凄まじい活躍をするまでは、私が一番好きな棋士だった。残念ながらいまでは順位戦はC級2組、竜王戦は6組と最下級のクラスにまで落ちてしまったし、近年は対局数も少なく、勝率も5割を大きく切るようになったので、これからも勝ち数を積み上げることができても、羽生4冠に並ぶだけの勝ち数をあげることはないと思うので、羽生4冠が独走態勢で歴代1位に向かって突き進むだろう。ずっと応援したいと思う。

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