2014年8月7日木曜日

理研の声明に唖然とした-どうして何もわからないのか

理研は、笹井副センター長の死という不幸な事態を受けて、次のような声明を出した。

2014年8月7日
独立行政法人理化学研究所

STAP細胞問題にご関心を寄せられる方々へ

再生医学分野を世界的に先導してきた笹井芳樹 発生・再生科学総合研究センター副センター長の早すぎる死を防げなかったことは、痛恨の極みです。笹井副センター長に謹んで哀悼の意を表すとともに、ご家族に心からお悔やみ申し上げます。
今、大切なことは、この不幸がこれ以上周辺の関係者に影響を与えないことであると認識しております。波紋が社会的に大きく広がる中で、関係者の精神的負担に伴う不測の事態の惹起を防がねばなりません。


3月以降、STAP論文の著者たちが、多方面から様々な批判にさらされ、甚だしい心労が重なったことを懸念し、メンタルケアなどに留意していたところですが、今回の事態に至ってしまったことは残念でなりません。
現在、当該論文著者のみならず、現場の研究者、特に若い研究者たち、技術者、事務職員ならびにその家族、友人たちの動揺と不安は深刻であり、非常に大きな心労を抱えている者もおります。理研は、今後もあらゆる方策で、こうした心身の負担軽減を講じていく所存ですので、皆様にも、ぜひこの状況をご理解とご協力いただきたくお願い申し上げます。

理研はSTAP研究論文にかかる問題の解明と、研究不正再発防止のための提言書等を踏まえた改革のためのアクションプランの策定に真摯に取り組んでおります。理研自らが、社会の要請に応えるべく、一刻も早く研究に専念できる環境を再生することが何よりも重要であると考えております。そのためにも、いましばらくの時間と静寂な環境を与えていただくことを切にお願い申し上げます。

この声明には、理研は相変わらずSTAP細胞問題について何もわかっておらず、わかろうとしない、ということが、実によく表れている。少しも変わっていない、変わろうとしないことがよく表れている。極めて異常な組織と言わなければならないだろう。

自らの不始末が不幸な事態を招いたことには一言も触れず、STAP細胞問題をめぐって多方面からの様々な批判にさらされたことが不幸の原因であると責任転嫁をしている。「STAP細胞問題にご関心を寄せられる方々へ」という表題自体に、そうした理研の態度が表れている。そして、ぬけぬけと、「いましばらくの時間と静寂な環境を与えていただくことを切にお願い申し上げます」とあたかも文句を言うなとばかりに、慇懃無礼な要求で結んでいる。

開いた口がふさがらない。この声明は、野依理事長の承認を経て出されているだろうから、野依理事長は、もはやSTAP細胞問題を本気になって解決しようと思っていないということなのだろう。これを機に、理研の幹部は総辞職すべきである。改革委員会がCDBの解体を提言したことは、解体以外に問題の解決は図られないと考えたからであろう。そして、そのことは、不幸な事態を招いた後でも、この声明に見られるように、何もわかろうとしない現在の理事長はじめ理研幹部には問題解決を期待しても無理であることを見通していたことになる。

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